POINT
この記事でわかること
- ✓ 24時間換気フィルターを掃除しないとどうなるか
- ✓ 水洗いできるタイプ・できないタイプの見分け方
- ✓ 用意する道具と掃除の具体的な手順
- ✓ 掃除の頻度とフィルターの交換タイミング
- ✓ 掃除しても換気が弱いときに確認する箇所
24時間換気フィルターを掃除しないとどうなる?
24時間換気は、2003年の建築基準法改正によって新築住宅への設置が義務付けられた設備です。シックハウス対策として、室内の空気を常に入れ替える役割を担っています。 その入口にあたるのがフィルター。ここが目詰まりすると、設備が本来の性能を発揮できなくなります。換気量が落ちて、部屋の空気がこもる
フィルターにほこりが詰まると、空気の通り道がふさがれて給気量が低下します。窓を閉め切っていても新鮮な空気が入りにくくなり、部屋の空気がこもったように感じられるようになります。 換気量が落ちれば、湿気も外へ出にくくなります。結露が増えたり、押し入れやクローゼットにカビが発生しやすくなったりと、住まい全体に影響が及ぶこともあります。給気口まわりの壁が黒ずむ
多くの方が最初に気づく症状がこれです。フィルターが汚れを受け止めきれなくなると、外気に含まれるほこりや排気ガスの粒子が室内へ流れ込み、給気口の周囲の壁紙が黒く汚れていきます。 一度壁紙に染み込んだ汚れは落としにくく、張り替えが必要になることも。フィルターを定期的に交換しておくほうが、結果的に手間もコストも抑えられます。運転音が大きくなり、電気代も増える
排気側のファンは、フィルターが詰まると余計な力で空気を吸い出そうとします。その結果、普段より運転音が大きくなったり、消費電力が増えたりすることがあります。 「最近、換気扇の音が気になる」と感じたら、フィルターの汚れを疑ってみてください。まずは自宅のフィルターのタイプを確認する
24時間換気のフィルターは、大きく3種類に分かれます。手入れの方法がまったく異なるため、掃除を始める前に見分けておきましょう。| タイプ | 見た目・手ざわり | 手入れ方法 | 交換の目安 |
|---|---|---|---|
| 不織布(使い捨て) | 薄い綿状。指で引っ張ると伸びる | 掃除機でほこりを吸う。水洗いは不可 | 3〜6か月 |
| スポンジ・ポリウレタン | 厚みがあり弾力がある | 掃除機のあと水洗い可 | 1〜2年 |
| 金属メッシュ | 網目状で硬い | 中性洗剤で洗える | 破損するまで |
給気側と排気側では汚れ方が違う
| 給気側 | 排気側 | |
|---|---|---|
| 設置場所 | 居室の壁・天井の給気口 | 浴室・トイレ・洗面所の天井 |
| 付着する汚れ | 外気のほこり、花粉、排気ガス、虫 | 室内のほこり、繊維くず、湿気 |
| 汚れの見え方 | 黒ずむ | 灰色のほこりが積もる |
| 掃除の頻度 | 2〜3か月ごと | 3〜6か月ごと |
型番がわかると手入れ方法を調べやすい
フィルターの素材や外し方に迷ったら、給気口本体や換気設備に記載されたメーカー名と型番を確認しましょう。カバーを外した内側や本体側面にシールが貼られていることが多くあります。 型番がわかれば、メーカーサイトから取扱説明書を検索でき、水洗いの可否や交換フィルターの品番まで調べられます。読み取りにくい場合は、スマートフォンで撮影して拡大すると確認しやすくなります。24時間換気フィルターの掃除方法
ここからは実際の掃除手順です。給気口1か所あたり、作業時間は5〜10分ほどを見ておけば足ります。用意する道具
- 掃除機(ブラシノズルがあると便利)
- 柔らかい布またはウエス
- 安定した踏み台
- 中性洗剤(水洗いするタイプのみ)
- ゴミ袋またはビニール袋
- スマートフォン(作業前の状態を撮影する用)
手順1|運転を止めてカバーを外す
作業前に、換気設備の運転を一時停止します。スイッチを切るだけでよい機種と、電源プラグやブレーカーの操作が必要な機種があるため、取扱説明書で確認しておきましょう。 カバーの外し方は製品によって異なり、つまみを回すもの、手前に引くもの、横へスライドさせるものがあります。硬く感じても、工具でこじ開けたり力任せに引っ張ったりするのは避けてください。つめが折れると、カバーが固定できなくなります。 外す前にスマートフォンで一枚撮っておくと、取り付け時に向きで迷いません。取り外した部品は、順番どおりに並べておきましょう。手順2|掃除機でほこりを吸い取る
外したフィルターは、まず掃除機でほこりを吸い取ります。表面を軽くなでるように動かすのがコツで、ノズルを強く押し当てると不織布が破れたり、スポンジが変形したりします。 ほこりが舞いやすいので、屋外やベランダ、浴室など、あとで掃除しやすい場所で作業するとあと片付けが楽になります。ゴミ袋の中で作業する方法もおすすめです。 カバーの内側にもほこりが溜まっています。こちらは乾いた布で拭き取っておきましょう。やってはいけないこと
- 不織布フィルターを水洗いする(繊維が崩れて性能が戻らない)
- もみ洗い・ブラシでこする(形状が変わり隙間ができる)
- お湯や乾燥機、ドライヤーの温風を当てる(縮み・変形の原因)
- 破れた部分をテープで補修する(空気の流れが偏る)
- 換気設備の内部へ掃除機のノズルを差し込む
手順3|水洗いできるタイプは洗う
スポンジや金属メッシュのフィルターは、掃除機のあとに水洗いできます。ぬるま湯に薄めた中性洗剤を溶かし、押し洗いするのが基本です。 汚れが落ちにくくても、強くこすったりねじって水を切ったりしないでください。素材が傷むと目が粗くなり、ほこりを捕集できなくなります。洗剤を使ったあとは、成分が残らないよう十分にすすぎましょう。 不織布タイプは洗いません。掃除機でほこりを取っても黒ずみが残る場合は、交換のタイミングと考えてください。手順4|完全に乾かしてから戻す
水洗いしたフィルターは、風通しのよい日陰で自然乾燥させます。急いでいてもドライヤーや暖房器具の温風は使わないでください。熱で縮んだり変形したりして、枠に収まらなくなります。 湿ったまま取り付けると、カビや雑菌が繁殖する原因になります。「触ってひんやりする」程度でもまだ水分が残っているので、しっかり乾くまで待ちましょう。 完全に乾いたら、表裏と上下を確認して元の位置へ。撮影しておいた写真と見比べると確実です。カバーを取り付けたら浮きやがたつきがないかを確かめ、換気の運転を再開します。運転の再開を忘れずに
24時間換気は常時運転が前提の設備です。フィルターが乾くまで時間がかかる場合でも、代わりに市販の布やシートを詰めるのは避けてください。乾燥中は運転を止めたままにし、フィルターとカバーを正しく戻してから再開しましょう。掃除の最後に、スイッチと表示ランプの状態を確認する習慣をつけておくと安心です。
掃除の頻度とフィルターの交換目安
掃除は2〜3か月ごと、フィルターの交換は種類に応じて3か月〜数年ごとが一般的な目安です。ただし住環境によって汚れ方は大きく変わります。2〜3か月ごとを基本に、汚れ具合で調整する
給気側は2〜3か月ごと、排気側は3〜6か月ごとを基本にしておくと、大きな目詰まりは防げます。カレンダーやスマートフォンのリマインダーに登録しておくと忘れにくくなります。 とはいえ、次のような環境では汚れの進みが早まります。- 幹線道路や線路の近く
- 工場や造成地が周辺にある
- 花粉の飛散時期
- ペットを飼っている
- 喫煙者がいる
交換が必要なサイン
掃除しても次の状態が見られるなら、交換を検討しましょう。- 掃除機をかけても黒ずみが残る
- 破れや穴がある
- 縮んで枠との間に隙間ができる
- スポンジがボロボロと崩れる
- 枠にはめても固定できない
掃除しても換気が弱いときのチェックポイント
フィルターをきれいにしたのに空気の流れが戻らない場合は、別の原因が考えられます。次の順番で確認してみてください。| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 掃除後に風量が落ちた | フィルターの向きや取り付けミス | 表裏・上下を確認して付け直す |
| もともと風を感じない | 給気口のレバーが閉じている | 開閉つまみの位置を確認する |
| 一部の部屋だけ弱い | 家具やカーテンで開口部をふさいでいる | 周囲30cmほどの物をどける |
| 異音がする・運転が止まる | 設備本体の不具合 | メーカーや管理会社へ相談する |