朝晩の冷え込みが増してきて、そろそろ「暖房をつけようかな」とお考えになる時期ですね。
でも、その前にちょっとだけお時間をください。夏の間にフル稼働していたエアコンの内部は、実はホコリとカビでかなり汚れているんです。そのまま冬に使ってしまうと、暖房の効率が下がってしまい、本来払わなくてもいい電気代を支払うことになってしまいます。
この記事では、11月のうちにやっておきたいエアコンの内部掃除とメンテナンスの具体的な手順を、丁寧にご説明していきます。簡単なお掃除で冬の電気代を節約して、快適な冬の暖房生活をスタートさせましょう。
なぜ11月の内部掃除が冬の電気代節約につながるのでしょうか?
暖房効率を低下させる「ホコリ・カビ」について
エアコンは、内部の熱交換器(フィン)やフィルターを通してお部屋の熱を移動させることで、暖房や冷房を行っています。
ホコリの影響:フィルターや熱交換器にホコリが詰まってしまうと、熱の交換がスムーズに行えなくなり、暖房の効率が低下してしまいます。
カビの影響:冬の暖房時は特に、内部で結露した水分がカビの温床になりやすく、カビの胞子がお部屋中に広がってしまうことがあります。
効率が下がったエアコンは、設定温度にするために余分な電力を使わなければなりません。これが電気代の無駄につながってしまうのです。
内部掃除とフィルター掃除で改善される暖房効率
環境省などのデータによると、エアコンのフィルターをお掃除するだけで、冷房時には約4%〜6%の電気代節約効果があるとされています。冬の暖房時も同じように、あるいはそれ以上の効果が期待できます。
11月の内部掃除は、これから始まる本格的な冬の暖房シーズンの前に、エアコンの性能を回復させるための大切なメンテナンスなんですね。
ご自宅でできるエアコンの内部掃除:簡単3ステップ
専門的な分解掃除は業者さんにお任せするとして、日常的なお掃除とメンテナンスで手の届く範囲を丁寧にきれいにしていきましょう。
ステップ1:お掃除の基本!フィルターと外装カバー
フィルターのお掃除:取り外したフィルターのホコリを掃除機で優しく吸い取ります。汚れがひどい場合は、浴室などで水洗いして、しっかりと乾燥させてください。生乾きはカビの原因になってしまいますので、完全に乾かすことが大切です。
外装カバー:ホコリを丁寧に拭き取り、特に吸気口の周辺に溜まったホコリも忘れずに取り除いてあげましょう。
ステップ2:見落としがちなフィン(熱交換器)のお掃除
フィンはエアコンの心臓部とも言える大切な部分ですが、とてもデリケートですので、力を入れすぎないように注意が必要です。
- 市販のエアコン掃除スプレーをお使いになる場合は、使用上の注意をよく読んで、正しくお使いください
- スプレーを使わない場合は、やわらかいブラシや綿棒を使って、フィンの目に沿って優しくホコリをかき出していきます
- 11月は湿度が低いため、お掃除後の乾燥が早く、カビの発生を抑えやすいというメリットもあるんですよ
ステップ3:送風口(ルーバー)のカビ対策
送風口の奥にあるファンは、カビが溜まりやすい場所です。
- ルーバー(風向きを変える羽)を手で優しく動かして、見えるようになったファン部分を拭いていきます
- 長めの割り箸などに使い捨てのクロスや布を巻き付けて、ファンを少しずつ回転させながら、優しくカビやホコリを拭き取ってあげましょう

【データで確認】エアコン掃除による電気代節約効果
暖房時こそ効果が大きい!節約のしくみ
エアコンの暖房は、お部屋全体を温めるために長時間稼働します。ホコリやカビで目詰まりしていると、設定温度に達するまでの時間が長くなってしまい、その分電気代がかさんでしまいます。
内部をきれいにお掃除することで、空気の通り道がスムーズになり、エアコンは最小限の電力で効率よく働けるようになります。これは、冬の暖房使用期間が長くなるほど、年間を通じた節約効果が大きくなることを意味しているんです。
冬の暖房における理想的なエアコン設定温度
環境省では、冬の暖房時の室温の目安を20℃としています。設定温度を1℃下げるだけで、消費電力を約10%削減できるとも言われているんですよ。
エアコンの内部をお掃除して効率を上げておけば、無理に設定温度を下げなくても、体感温度を快適に保ちやすくなります。
11月はエアコンメンテナンスのラストチャンス!
冬の暖房が本格化する12月や1月になると、エアコンは毎日フル稼働です。11月のうちに、夏に使って汚れたエアコンをきれいにメンテナンスしておくことで、シーズンを通して効率よく、そして衛生的にお使いいただくことができます。
内部掃除を業者さんに依頼する判断基準
ご自宅でのお掃除は、どうしても表面的な汚れにしか対応できません。以下のような症状がある場合は、プロの方に徹底的な内部掃除をお願いすることをおすすめします。
- エアコンをつけたときにカビ臭いニオイがする
- 結露による水漏れが起こっている
- お掃除しても暖房の効きが良くならない
こういった場合は、内部に手の届かない汚れが溜まっている可能性がありますので、専門の業者さんに相談されることをおすすめします。

賢いエアコンの内部掃除で、快適な冬の暖房生活を
11月は、エアコンの内部掃除とメンテナンスに最適なタイミングです。
ほんの少し手間をかけるだけで、冬の電気代をしっかりと節約できて、さらにカビの胞子を抑えて健康的な暖房環境を作ることができます。
秋晴れの気持ちいい日に窓を開けて、エアコンのお掃除を始めてみてはいかがでしょうか。きっと快適な冬の暮らしにつながるはずですよ。